投資家の兄弟たちよ、調子はどうだ。株王獅子丸だ。
半導体製造装置は、IoT時代が到来することで半導体を搭載する機器が増えることや、より高性能な半導体への需要が高まることなどから注目を集めている。国内だけでなく海外からも注目度の高いテーマであり、幅広い層の投資家からの資金流入に期待しやすいテーマ株と言えるだろう。
目次
半導体製造装置関連銘柄リスト
半導体製造装置関連銘柄は、半導体製造装置の出荷額が好調であるほか、日本企業の中にも生産能力を高めているところがあることなどから注目を集めている。IoT機器や自動運転車が普及することとなれば、半導体需要は急速に高まる。また、数だけでなく機器のサイズを維持あるいは小型化するためには半導体の質も重要だ。半導体製造装置ビジネスに注力している企業はもちろん、精密機器メーカーなどが独自の技術を活かして半導体製造装置の生産に取り組むケースも見られるからな。
世界的な景気回復が続いているほか、日本でも10月第2週に日経平均株価が21,000円を突破するなど景気の先行きが明るくなっているのも大きい。IoTや自動運転車の普及に先立つ形で、景気回復が半導体製造装置の需要を押し上げることも考えられるだろう。
まずは注目しておくべき半導体製造装置関連銘柄を下記にまとめておいた。各種の半導体製造装置関連銘柄に対する個人的な見解や分析も交えて紹介しておくので参考にしてもらいたい。
<6146>ディスコ
半導体の切断や研磨に強みを持ち、グローバルにビジネスを展開している。業績は着実に伸びている。7月末には長野県に工場を新設する予定を発表したことから、今後半導体製造装置ビジネスでさらに大きな収益を上げやすくなる銘柄だ。
<8035>東京エレクトロン
半導体製造装置メーカーとして世界に君臨している。関連銘柄の筆頭格と言え、半導体製造装置への関心が高まれば、大幅な資金流入に期待しやすい。半導体ブームが訪れる前から製造装置を生産していることから、ノウハウが多く蓄積されていると考えられる、半導体製造装置関連銘柄としてははずせない銘柄だ。
<6857>アドバンテスト
半導体試験装置ビジネスに取り組んでいる。IoT機器や自動運転車に半導体が搭載されることになれば、より高品質が求められることとなる。そのため、検査においても品質チェックが厳しくなる可能性があり、アドバンテストがビジネスを拡大しやすいだろう。
<7735>SCREENホールディングス
ディスプレイの他、半導体製造装置も提供している。熱処理や検査など複数の工程向けの製品を製造していることから、半導体需要の高まりから多くの恩恵を受けられる。また、自社でもIoT技術の活用を進めていることから、半導体製造装置需要の創出にも貢献できる。
<6298>ワイエイシイホールディングス
半導体製造装置ビジネスに取り組んでいる。半導体の配置に活用されるコンベアの製造等で実績がある。半導体の製造効率アップにつながる製品を多数提供できれば、半導体の需給が逼迫した際に多くの受注が期待できる。
<6291>日本エアーテック
クリーンルームを提供している。半導体の製造に当たっては微細なホコリ等の付着も許されない。したがって、清浄な環境の下で製造を進める必要がある。半導体製造装置への関心が製造環境にも及べば、日本エアーテックにも注目が集まるのではないか。
<3727>アプリックス
IoTビジネスに取り組んでいる。IoT機器同士の無線通信に役立つセキュリティサービス等を提供している。半導体製造装置メーカーが積極的な先行投資を行えば、IoT機器の普及にも弾みがついてアプリックスの業績にも追い風となろう。
第2四半期の半導体製造装置出荷額は過去最高に
アメリカの半導体製造装置の業界団体SEMIが、2017年第2四半期の半導体製造装置の出荷額が過去最高を記録したと発表した。半導体ビジネスは景気に左右されやすい面がある。そのため、世界の景気が回復を続けていることが追い風となっている模様だ。
しかし、景気回復だけでなく、IoT時代が確実に近づいてきていることが、製造装置需要を押し上げていると言えるだろう。というのも、製造装置の需要増は、将来的な半導体需要の伸びを想定する企業が多いことを意味するからだ。
半導体製造装置ビジネスはアメリカだけでなく日本でも積極的に取り組む企業が少なくない。日本でも衆議院総選挙後あたりからいよいよ本格的な景気回復が進むことになれば、半導体製造装置ビジネスはさらに活況を呈するのではないか。
生産能力の増強に取り組むメーカーも
2018年4月から、半導体製造装置ビジネスに取り組む<6146>ディスコが長野県に新たな生産工場をオープンさせる予定となっている。半導体製造装置の生産が伸びることは半導体需要の先行きが明るいことを意味しているが、<6146>ディスコの追加投資は製造装置の需要が大きく伸びることまで想定している。
メーカーが強気の姿勢で生産力を強化すれば、製造装置や半導体そのものの供給不足が生じるリスクが低下し、IoT機器の開発・生産等を電機メーカーが円滑に進めやすくなる。IoT機器だけでなく自動運転車の開発・実験も着実に進んでいることから、自動運転車向けの半導体需要増も半導体製造装置ビジネスを後押しすることになる。
生産能力の強化は先行投資のため一時的に企業業績を押し下げるものの、中期的には大幅な業績アップにつながりうることから、先行投資に積極的な半導体製造装置メーカーには特に注目したい。
半導体製造装置関連銘柄への投資ポイント
半導体製造装置関連銘柄は、半導体需要が高まっていることや、製造装置の出荷が活発であること、生産能力の増強を図る企業が見られることなどから要注目だ。IoTや自動運転車といったテーマとも関連しているため、注目度が一気に高まる可能性もある。製造装置のメーカー企業だけでなく、そこからの流れを想定し、どういった企業に影響がいくのかとしっかりと考える事が投資のコツになるだろう。