ビットコイン以外のアルトコインの取引など、各種サービスの再開が報じられたコインチェックについて、改めてハッキング事件について本質的に見直しておきたい。
それを語る上で、あのマウントゴックスのハッキング事件についても、もう一度見直してみようと思う。
あの時、マウントゴックスは、ハッキングによるビットコインの消失の結果、マウントゴックス自体が破錠するというシナリオを迎えたが、新聞やテレビなどのマスメディアは、ビットコインが破錠したという誤解を招くような報道が目立っていた。
今だからこそ、誰もが正しく理解できることだが、当時、まだ仮想通貨の知識が浸透していない日本で、この時のマスメディアの報道姿勢は間違っており、マウントゴックスは円やドルをビットコインに交換するだけの両替所にすぎず、ビットコインそのものを発行する場所ではなかった。
マウントゴックスは、仮想通貨の両替所であり、それが破錠しただけの話であり、この時、ビットコインの仕組みや性能そのものに欠陥があったからハッキングをされたわけではなく、マウントゴックスのセキュリティ体制に問題があったからハッキングが発生してしまったわけで、つまり、ビットコイン自体の信頼を揺るがすような問題ではなかったわけだ。
これをわかりやすく例えると、現金輸送車が強盗に襲われて1億円の現金が強奪されたとしても、円が破錠することはなく、円の信頼が揺らぐようなものでもない。
これと同様に、マウントゴックスの破錠は、ビットコインの信頼や問題とは全く関係のないことだったと言える。
そして、さらに、本質的に深く掘り下げてみれば、マウントゴックス事件はビットコインに価値があるということを証明した事件でもあった。
泥棒は価値のある物しか盗まない。
そして、泥棒は自分が盗んだら価値がなくなってしまう物を盗むことはない。
強盗が現金輸送車を襲うのは、円の価値を認めているからであり、自分達が現金輸送車を襲っても円が無価値になることがないという確信があるからだ。
ビットコインもこれと全く同じことが言える。
ビットコインを盗むことによって、ビットコインの価値がなくなってしまうと思ったら、泥棒もビットコインを盗もうとはしない。
ビットコインの価値を認め、ビットコインをハッキングしたからといってビットコインが無価値にならないことを確信していたからこそ、ハッカーはマウントゴックスをハッキングしたと言える。
そして、コインチェックからネムがハッキングされた事件も全く同じ原理で、ネムの価値を認め、ネムを盗んでもネムが無価値になることがないと確信していたからこそ、ハッカーはコインチェックからネムを盗んだのだ。
今回、新聞やニュースなどのマスメディアは、「やはり仮想通貨は危険なものだ」「コインチェックは危険な企業だ」といった偏った報道を行なっていたが、マウントゴックス事件後にビットコインが無価値にならなかったように、今でもネムが無価値にはなることはなく、コインチェック事件も本質的に言えば、仮想通貨には価値があるというさらなる証明になったとして考えらる。
もちろん、事件直後には、リスク懸念による売りが殺到し、一時的な下落は見られたが、マウントゴックス事件後にビットコインが長期的にその価格を上昇させたように、ネムも同じくして時間と共にその価値を高めていくことが想定される。
その他にも、仮想通貨を狙った強盗事件なども起こっているが、こういった仮想通貨を狙った事件が増えているということは、仮想通貨の価値がさらに広く浸透し、その価値が円やドルなどの通貨と同じく認められているからこそだと考えられる、
仮想通貨を支えるブロックチェーンの技術は仮想通貨以外にも広がり、現在では実に様々な取組が世界各国で行われており、楽天による仮想通貨参入や、LINE、フェイスブック、スターバックスなどの仮想通貨に対する取組など、前向きな要素が次々と出てきているのが現在だ。
これまでの経緯からも、マスメディアは、基本的に仮想通貨のネガティブな側面ばかりを報道しているが、このような報道に惑わされることなく、金融革命を起こすパワーを秘めたコア技術となる仮想通貨の真の魅力を理解し、自信を持って仮想通貨投資へ取組んで行くべきだろう。
G20や仮想通貨規制に関するネガティブな報道がこれからもまた報道されることもあるだろう。
だが、仮想通貨の本質的価値を理解していれば、その先にある大きな未来を掴むことはできる。
壁というのは、
秘められた力を持つところにできる。
逆に言えば、
壁を超えられる可能性があるところにしか
壁はできない。
だから、壁がある時はチャンスだ。