投資家の兄弟たちよ、ごきげんよう。以前にもロシア関連銘柄の動向の分析をしたが、日露首脳会談が近づいてきたことで、兄弟たちの関連銘柄に対する期待も一層深まっているであろう。前回書かせてもらった記事では、北方領土問題から紐解いて関連銘柄の影響を受ける日本株をフューチャーしたわけだが、今回の会談のキーワードはズバリ経済協力だ。5月の首脳会談で安倍首相は「8項目の経済協力プラン」を提示し、プーチン大統領から高い評価と賛意が表明された。
目次
8項目の経済協力プラン
(1)都市交通網や上下水道などのインフラ整備
(2)日本式の最先端医療機関整備など健康寿命の伸長
(3)中小企業支援
(4)ガスや石油などのエネルギー開発
(5)IT分野・原子力などの先端技術協力支援
(6)極東地域の産業振興
(7)産業多様化の促進
(8)人的交流の拡大
などの8項目となっている。日本から歩み寄る形になるが、その先に北方領土問題があることから、ロシアも強硬姿勢を崩していない現状だ。都市環境整備では、渋滞を抑制する次世代式の信号技術であったり、先進的なゴミの処理システムの提供といった住環境から改善する案がある。医療分野では、予防医学やリハビリ、小児科など健康と長寿につながる分野での協力を目指す。生産年齢人口の減少を日本の最先端の医療施設を建て、健康寿命を延ばすなどの提案も含まれているという。それだけでなく、両国の医師や患者を相互派遣する仕組みを作ったり、これまでの領土以外の新しい面からアプローチをする狙いがある。
エネルギー・ブリッジ
8項目の中で、ロシア側が強く関心を持っているのが、サハリン(樺太)と北海道を海底ケーブルで繋ぎ、電力供給をするエネルギー・ブリッジ構想だ。ロシア極東の発電コストは日本より安く、実現すれば電気料金の引き下げに期待が持てる。具体的には、極東が1キロワット時あたり4円程度なのに対し、日本は13円前後と3分の1程度も違いが出てきている。しかし一方では、ロシアからの供給が途絶えることでの大規模な停電が起きる可能性があり、反発も予想できるだろう。現在、検討されているガスパイプライン構想は、北海道の稚内、青森県のむつ小川原、仙台や茨城県の日立などを経由し、全長はなんと約1,500kmもあるというから驚きだ。
ロシア関連銘柄最新リスト
主なロシア関連銘柄は、前回に書かせてもらった記事を見てもらえればと思う。
今回はロシア関連の中で出遅れ、とくに注目しているロシア関連銘柄だけを絞って紹介していきたい。
ロシア関連銘柄出遅れ
【1332】日本水産
水産事業だけでなく、食品から海洋関連事業まで手がけている。日本初の民間海洋サバイバル訓練施設を開設しており、ヘリコプター水中脱出訓練から、避難要領訓練などの訓練プログラムを提供している。
【2413】エムスリー
インターネットを利用した医療関連サービスの提供をしていることから、8項目の経済協力プランの医療分野におけるロシア関連銘柄での注目の一つだ。50万人以上の会員医療従事者に向けて情報発信をしている日本最大規模の医療従事者向けサイトを運営しており、一般の方向けには、気軽に医師に病気の事を質問できるAskDoctorsは1000人以上の現役医師が掲示板で迅速、的確に回答してくれる。
注目のロシア関連銘柄
【1605】国際石油開発帝石
世界20数カ国で約70のプロジェクトを展開する日本最大の石油・天然ガス開発企業だ。原油や天然ガスを探り当てる探鉱活動からエネルギーに関わる様々な研究をしており、今回のロシア関連銘柄にはなくてはならない存在と言えるだろう。エネルギー・ブリッジに関係しているパイプライン業には1960年代から天然ガス輸送のためのパイプライン網の整備に取り組んでいる。
ロシア関連銘柄まとめ
振り返ってみると日本だけが浮き足立っているように見える日露の経済協力だが、ここまで盛り上がってきている事は珍しく、それは同時にロシア関連銘柄にも良い影響を残す事を意味している。今回、紹介した以外のロシア関連銘柄については過去のブログを参照してもらえるといいだろう。複数のロシア関連銘柄にフォーカスした内容になっている。