投資家の兄弟たちよ、ごきげんよう。
今日は、東京証券取引所の大型IPOについて書いていこうと思う。
4月5日に某サイトで報道された記事によると、東京証券取引所を傘下に持つ日本取引所グループ(JPX)が、サウジアラビアの国営石油企業「サウジアラムコ」の新規株式公開(IPO)で東証への上場誘致に取り組んでいるという。もしこの新規上場(IPO)がが実現すれば世界最大の新規上場(IPO)となるもようだ。
サウジアラビア国営石油企業 サウジアラムコ
サウジアラムコは、サウジアラビアに本社を置いている世界最大級の石油会社だ。主な業務内容は、石油・天然ガスの探査、開発および生産、関連するパイプライン、輸送および加工業務、原油、石油および化学品の供給や取引、精製、販売および輸送となっている。
原油埋蔵量、生産量とも世界最大の規模を誇っており、2500億バレル以上の確認埋蔵量があるとされている。サウジアラムコの時価総額は正確にはわかっていないが、これから算定されるといわれている。控えめにみても2兆ドル(約220兆円)といわれている。
これがどれだけ大きいかを比較すると、時価総額で世界一のアップル。またGoogleを傘下に持つアルファベットの3倍となり、とんでもない金額なのがわかる。
新規株式公開(IPO)で東証への上場誘致
サウジアラムコのIPOが実現すれば、時価総額は2兆ドル(約220兆円)を超えるとの見通しを示している。市場関係者の間でサウジアラムコの時価総額をめぐっては多くの見方があるが、いずれにしても世界最大規模のIPOとなる公算だ。新規上場(IPO)は18年を計画しており、株式売却の規模は全体の5%未満とみられ、これが本国のサウジを含む世界の複数の取引所で売買されることになるとみられる。
これにJPXの清田瞭最高経営責任者(CEO)が新規株式公開(IPO)で東証への上場誘致に取り組んでいるという。JPXはトップ自らがキーマンとの面会を見通せない中でサウジに乗り込むほど前のめりの姿勢だが、果たしてその努力は報われるのか。
ニューヨークやロンドン、世界中の取引所が候補
超巨大IPOだけに、関心を示すのは東証だけではないぞ。世界の有力な取引所がサウジアラムコの上場誘致に動いているという。サウジアラビア国外での上場先としてこれまで取り沙汰されたのは、ニューヨークやロンドン、カナダ・トロント、シンガポール、香港の取引所だ。 今のところ最も有力とみられているのはニューヨークのようだ。
米紙ウォールストリート・ジャーナルは2月下旬、サウジ側はニューヨークに傾きつつあるが、一方でロンドンやトロントも検討しているなどと報じた。 JPXの清田瞭最高経営責任者(CEO)は今のところは上場先の候補として残っているという感触だと発言しており、証券取引の場として世界最大のニューヨークは上場先として外せないとしても、まだ可能性は残っていると言うところだろうか。
東証に上場している外国会社の数
東証に上場する外国会社の数は現在6社と寂しい限りだである。ピークの1991年には127社を数えたが、バブル崩壊や90年代後半の金融危機、長期の景気低迷で東京株式市場の魅力が相対的に低下したことで減り続け、2015年にはついに1桁に転落している。
米金融大手シティグループも昨年、上場廃止となったおり、さらに今年3月23日には、東証1部上場の米バンク・オブ・アメリカ・コーポレーションが東証に上場廃止を申請している。5月1日に正式に上場廃止となる。取引量が少ない上、上場をやめた方がコスト削減につながるという意味合いもあったようだ。
バンク・オブ・アメリカ・コーポレーションが抜ければ、東証上場の外国会社はともに米保険大手のAIGやアフラックなど5社に落ち込む。現在、東証に上場している外国会社はかなり少なく、ここにきてサウジアラムコの新規上場はとても魅力的だ。何としても上場勧誘を成功させてほしい。
まとめ
サウジアラムコの上場はまだ先になるが、新規上場に向けて着々と準備が進んでいる。原油価格によってその評価も大きく上下するかもしれないが、その原油価格に大きな影響力を持つサウジアラビアなので、原油価格がもう一度低迷すると予想するのも危険だ。原油の安定、さらにはサウジアラムコの上場と、石油関連企業も今後は活気づいてくるかもしれないぞ。