TPPの合意を巡り8月1日に開催されたTPP交渉の閣僚会合を先読みした投資家達により、既に先週から多くの農業関連のTPP関連銘柄が物色され、その株価にも多様な動きが観測できる。
今回のTPP交渉会合では、完全なTPP合意には至らなかったが、会合終了後の記者会見にて甘利明氏が語った「もう一度会合を開けば、すべて決着する」という言葉からも、TPP合意時期はもはや目前だ。
甘利明TPP担当大臣の記者会見の様子は下記の動画をご覧頂くとよくわかるだろう。
また、安倍総理からは、TPP合意について「全力を尽くす」「あと一回会合を開けばまとまるところまできた」というコメントも出ていることからも、TPPの合意決定でTPP関連銘柄が大きく動く時がいよいよ来る。
安倍総理のTPP合意に対するコメントは下記動画から確認できる。
これにより、TPPの合意がいよいよ明確化してきた今、TPPで株価に大きな影響を受ける農業関連のTPP関連銘柄にフォーカスし、本命のTPP関連銘柄はもちろん、出遅れのTPP関連銘柄の株価も大きく動いていくことが考えられるため、改めてTPP合意がTPP関連銘柄の株価に与える影響を考察しておきたい。
TPP合意が関連銘柄の株価に影響
TPPの合意に対する思惑で既に株価が上がっているTPP関連銘柄も幾つかあるが、8月1日のTPP交渉の閣僚会合を経た今、甘利明氏の発言通りに、次回開催される会合でTPPの大筋合意が完全に決定した場合、農業分野をはじめとしたTPP関連銘柄の株価上昇は更に加速することが想定できるだろう。
TPP会合のスケジュールに注目
8月1日のTPP交渉の閣僚会合後の記者会見で甘利明氏が語った内容は非常に重要だ。
「もう一度会合を開けば、すべて決着する」
この発言により、TPP関連銘柄への株式投資を行っている早耳な個人投資家や機関投資家などのプロ筋は、次回のTPP会合のスケジュールに早速目が向いているはずだ。
甘利明TPP担当大臣によれば、「今月末(8月末)にもう一度TPP交渉の閣僚会合を行う」と言われているようだが、現時点では「次回会合の時期は決まっていない」と、フロマン代表が語ったように、まだ次回のTPP会合の正式な日程は不明だ。
だからこそ、TPP関連銘柄への株式投資で大きな利益を狙うのであれば、次回のTPP交渉会合の日程がいつ発表されるのか、TPP合意の決定が期待される会合の日時はいつになるのか、絶対にチェックしておくべきだろう。
個人的にも、次回のTPP会合でTPP合意が決定し、TPP関連銘柄の株価に強い影響があると確信しているため、次回のTPP会合のスケジュールの確定を知り次第、当ブログでも伝えていくつもりだ。
【本命】農業関連のTPP関連銘柄
TPP合意の影響が株価に大きくあらわれる関連株として、農業関連のTPP関連銘柄を本命視することができる。
農業関連のTPP関連銘柄をさらに細分化し、農機関連銘柄、農薬関連銘柄、肥料関連銘柄、種苗関連銘柄といったテーマに分類し、TPP合意と株価の関係性について分析を行った。
本命の農機TPP関連銘柄
TPPの影響を受けるTPP関連銘柄として、トラクターやコンバイン、田植機等の農機を専門的に取り扱う本命のTPP農機関連銘柄を下記にピックアップしてみた。
TPPで農機関連銘柄の株価が上がる理由
「なぜTPPで農機関連銘柄の株価が上がるのか?」と疑問に思っている方も多いと思うので説明しておくが、TPPにより海外の農作物の輸入量が増えることで、国内農家は海外に対抗するために、海外の農業に習って大規模な機械化農業への進化が想定され、そのために農機の販売台数の向上や、農機関連企業が農家と一致団結して国内農業の価値を高めていくことに期待ができるからこそ、TPPで農業関連銘柄の株価が上がると言える。
井関農機【6310】
農業機械の専門メーカである井関農機【6310】は農機関連のTPP関連銘柄として様々な農機の開発生産を行っている企業であり、TPP合意の影響が強い銘柄を語るうえではずすことはできない銘柄だろう。
TPPの影響でさらに近代化する農業・農機分野において、注目度の高い本命のTPP関連銘柄だ。
クボタ【6326】
クボタ【6326】は、農業・農機関連のTPP関連銘柄の中心に位置する銘柄であり、本命として考えることができる。
国内大手の農業機械メーカーであり、国内農家が生産する国産コメの海外輸出を支援するなど、TPP合意を踏まえた事業展開を積極的に行っており、農機販売拡大はもちろん、TPPに対応する企業体質からも、特に評価が高い本命のTPP関連銘柄として考えられる。
本命の農薬TPP関連銘柄
農業関連のTPP関連銘柄の中でも、農薬を専門的に取り扱っている個別銘柄もチェックしておくべきだろう。
農薬関連は、海外輸出という大きな業績アップの可能性も秘めているため、本命のTPP関連銘柄として考えていきたい。
TPPで農薬関連銘柄の株価が上がる理由
農薬関連銘柄の株価がTPPで上がる理由として、国内農薬メーカーが製造する農薬がTPP協定により海外への輸出量が増加する可能性が高いことが挙げられる。
その他にも、農機関連銘柄と同じくして、農業分野の競争力強化において農薬は重要な役割を担うため、TPPによる農薬関連銘柄への注目も高まっている。
アグロカネショウ【4955】
アグロカネショウ【4955】は、果樹・野菜用の農薬大手企業だ。これまでにもTPP担当大臣の新設時など、TPPに関わる報道により何度も思惑が拡大し株価に影響が強く現れているTPP関連銘柄だ。
TPP合意への思惑が株価に与える影響は大きく、農薬分野における本命のTPP関連銘柄だ。
日本農薬【4997】
日本初の農薬専門企業となる日本農薬【4997】は、TPP合意により大きな注目を浴びる農業関連のTPP関連銘柄のなかでも、農薬に特化した企業として要注目だ。
TPPで定められた農業関連の協定の内容次第では、これまで以上に市場の投資資金が本命のTPP関連銘柄である日本農薬【4997】へ向かう可能性は充分にある。
クミアイ化学工業【4996】
クミアイ化学工業【4996】は、世界市場でも成長を続けているピロキサスルホンを利用した農薬の開発研究を行っている企業。
ピロキサスルホン農薬は、オーストラリア、アメリカでも販売が拡大されていることからも、クミアイ化学工業【4996】は、農薬関連のTPP関連銘柄として要チェック。
本命の肥料TPP関連銘柄
TPPの合意は、農業には欠かせない肥料を専門的に開発する企業の株価にも影響を及ぼすため、肥料関連のTPP関連銘柄にも注目しておきたいところだ。
TPPで肥料関連銘柄の株価が上がる理由
なぜTPPで肥料関連銘柄の株価が上がるのかというと、農業において肥料の存在は非常に重要であり、国内だけではなく、世界的にも農業分野において肥料需要は高まっており、TPP合意によって国内肥料の海外輸出による業績向上を見込むことができるからだ。
日産化学工業【4021】
日産化学工業【4021】は、1887年に日本初の化学肥料製造会社として誕生した企業だ。
現在では機能性材料やライフサイエンスを中心に新しい価値の創造に取り組んでおり、TPP合意によって株価に影響を受ける肥料関連のTPP関連銘柄として覚えておきたい。
コープケミカル【4003】
コープケミカル【4003】も肥料の製造・販売を専門的に事業展開していることからも、農業・肥料関連のTPP関連銘柄として注目しておきたい銘柄だ。
特徴としては、ギャンブル性が高い一面もありそうなTPP関連銘柄だ。
片倉チッカリン【4031】
片倉チッカリン【4031】も、配合肥料や育苗培養土など、農業にとっては欠かすことができない農業用肥料や農業用資材の製造を専門的に展開している企業であり、肥料関連のTPP関連銘柄として注目が高まっている銘柄だ。
日東エフシー【4033】
日東エフシー【4033】は、有料肥料の研究・開発を行っている企業であり、TPP農業支援策により、肥料の需要が高まることを想定すると、TPPで株価が上がりそうなTPP関連銘柄としてチェックしておきたい。
本命の種苗TPP関連銘柄
種苗関連銘柄(農業生産物となる野菜等の種子を取り扱う企業)も、TPP合意に対する思惑により、株価に大きな影響を受けているTPP関連銘柄だ。
TPPで株価が大きく上がりそうな本命の種苗TPP関連銘柄をピックアップ。
TPPで種苗関連銘柄の株価が上がる理由
TPPによって種苗関連銘柄の株価が上がる理由は、TPP協定の流れから国内農業支援策がとられ、国内農業の発展が期待でき、種子の需要が高まることが期待されているからだ。
その他にも、海外への種子輸出量が増加する可能性があることも、TPPで種苗関連銘柄の株価が上がる理由となる。
カネコ種苗【1376】
カネコ種苗【1376】は、本命のTPP関連銘柄だ。
農家や農業関連企業向けに、トマト、キュウリ、ナス、カボチャ、ズッキーニ、オクラなどの果菜や、ニンジン、タマネギ、ダイコン、ニラなどの根菜、キャベツ、ハクサイ、ホウレンソウなどの葉菜、トウモロコシなどの豆類など、多種多様な野菜の種子の販売を行っている種子関連の大手企業だ。
種子関連のTPP関連銘柄として代表的な存在となる銘柄であり、TPPによる企業成長の可能性も秘めている注目のTPP関連銘柄だ。
サカタの種【1376】
種子関連でシェア率トップとなるサカタの種【1376】も、TPP合意によって株価に大きな影響を受けるTPP関連銘柄だ。
TPPによって、同社が取り扱う、花や野菜の種子、肥料や培養土などの農業用資材が海外輸出される可能性や、TPP農業支援策により種子需要が高まる期待からも、種子関連の本命TPP関連銘柄として多くの投資家が注目している。
TPP合意と株価動向の予測
ここから先(2015年8月以降)のTPP関連銘柄の株価動向とTPP合意を予測すると下記の①〜⑤の流れになるのではないかと考えている。
①2015年8月3日〜
「8月1日に報じられたニュースにより週明けにも一部のTPP関連銘柄に注目が高まり、TPP合意への期待から株価に影響が。」
②2015年8月中
「その後、次回のTPP会合の日程が正式に発表される。「もう一度会合を開けば、すべて決着する」という、甘利明氏の発言からも、TPP大筋合意への思惑によりTPP関連銘柄が再度大きく物色され、株価も大きく動く。」
③2015年8月中
「もう一度会合を開けば、すべて決着するという、甘利明氏の発言からも、TPP大筋合意への思惑によりTPP関連銘柄が再度大きく物色され、株価も大きく動く。アメリカの大統領選挙を考えると、8月中にもう一度TPP会合が開催され、TPP協定の内容の大筋が固まる可能性も高い。」
④2015年秋
「次回開催のTPP会合でTPP合意が完全決定。その内容にも注目(輸出・輸入・農業・水産・海運)」
⑤2015年秋〜冬
「TPP合意の決定ニュースが報道されることで、TPP関連銘柄への注目度は最高潮に達し、一部のTPP関連銘柄の株価も急騰。」
もちろん、このようなTPP関連銘柄の株価動向の流れの間にも、TPP合意に関連するニュースの発表や、TPP関連銘柄の材料発表等から株価を大きく伸ばす銘柄も次々と出てくるだろう。
TPP関連銘柄の情報動画
TPP関連銘柄について調べている方は、下記のYOUTUBE動画も見ておくとよいだろう。
本命のTPP関連銘柄を知るために有益な情報となる動画だ。
日本のTTP参加がビジネスチャンスとなる企業について特集された番組の動画だ。